第3回 次の次の本の打ち合わせ

出版社アールエヌプレスがお届けるニュースレター(隔週土曜日)。編集部の様子と、おすすめの本などを紹介していきます。
rn press 2022.08.20
誰でも

今週の編集部

みなさん、こんにちは。rn pressです。今週は『グッバイ・ハロー・ワールド』の北村みなみさん、『キャットウォーク』の佐々木充彦さんがrn pressに来社されました。北村さんはサイン本づくり、佐々木さんは福岡からポッドキャスト収録と単行本お疲れ様会でいらっしゃいました(ポッドキャストは近々アップいたします)。どちらの本もサイン本のお取り扱いがありますので、ぜひどうぞ。キャットウォークのサイン本特典シールはキラキラでとてもかわいいです。

『キャットウォーク』はZOOMや電話で福岡ー東京をつないで制作しました。デザインの打ち合わせも、野口と藤田裕美さんは一緒に事務所で、ZOOMで佐々木さんをつなぎました。ですから今回佐々木さんが久しぶりに東京にいらっしゃって、生の佐々木さんにお目にかかれてとても嬉しかったです。前回の『インターウォール』制作のときは、福岡のキャナルシティで打ち合わせをした記憶があります。コロナ禍なので仕方がないとはいえ、やはり直接会うのが一番だなと感じます。

ちなみに『キャットウォーク』の編集作業で面白かったのは、「ページを指示するときの単語が酷すぎる問題」です。なにしろ主人公のミロの心の声はなかなかの罵詈雑言ばかりなので(笑)、「佐々木さん、あの『死ね死ね死ね』のページなんですけど……」「佐々木さん、『○○○』という単語は性的にNG用語なので違う表現にしましょう」、「佐々木さん、内臓が飛び散るページの色味ですけど……」云々。喫茶店などで打ち合わせをしていたらギョッとされるのではないかなと思います。

「死ね死ね死ね」のページ。色校で吹き出しの文字色の濃度を調整しています。3パターンだしました。

「死ね死ね死ね」のページ。色校で吹き出しの文字色の濃度を調整しています。3パターンだしました。

キャットウォークが発売されました

と、そんな佐々木充彦さんの『キャットウォーク』がいよいよ発売となりました。『キャットウォーク』を読まれたという方、ぜひ感想をお寄せくださいね。

まだ読んでないという方に、『キャットウォーク』の説明を少し。

主人公ミロは、まわりの人が当たり前にできることが上手にできません。でも空気を読むのは上手で、繊細で、傷つきやすい人です。いつも誰かが自分の悪口を言っているような気がします。それでもミロはこの社会で生きていこうと一生懸命「できるふり」をしますが、やっぱりうまくいきません。大きなストレスを抱えたミロは、ニコという少女に出会い、キャットウォークがいる街で殺人を犯します。自分をいじめた人、自分を嘲笑った人。ニコに導かれるまま、何度も何度も殺します……。

と、とても物騒な字面が並びますが、果たしてミロはどうなってしまうのでしょうか。ぜひ本を手に取って結末を確かめてもらえると嬉しいです。今回の本は小説と漫画が一緒に入っていて、それぞれ結末が少しだけ違います。ぜひお楽しみください。

佐々木充彦さんとrn pressの猫たち。

佐々木充彦さんとrn pressの猫たち。

次の次の本と、次の次の次の本の打ち合わせ

早くも次の次の本(初春発売の本)の打ち合わせが始まりました。濃厚で分厚い本になりそうです。今回の本もかなり校閲が大変そうですが、なにしろとても面白いので良い形で世に出せたらいいなと思っています。そして、早くもその次の本、来年春発売の本でも動きがあり、あちこち駆け回っております。きっとみなさんにも楽しんでもらえるかと思います。

今日マチ子さんの複製原画のアウトレット販売

岡山の展示会で展示したサイン入り複製原画を販売しています。もう少しで台湾から作品が戻ってくる予定なので、商品がどん! と増える予定です。Essentialだけでなく、Distanceの作品もありますのでとってもレアです。一度飾ったものなので、税抜き・送料込価格でのアウトレット販売です。箱含め、傷や汚れはありません。付属の紐は一度使用していますので、気になる方はご遠慮ください。

RIGHT NOW BOOKSTANDも元気にオープン中

オンラインでも購入できるように、少しずつですがお店の本をアップしています。店舗は冷房を効かせているので、扉を閉めており、猫たちがうろうろしています。ぜひ猫の飛び出しにご注意ください。ぜひ覗いてみてくださいね。最近はカマキリも迷いこんできたりして、店主のテンション爆上がり中です。来週は関西出張が入っているので、金・土がお休みになります。

金井美恵子(文)/金井久美子(絵)『たのしい暮しの断片(かけら)』(平凡社)

金井美恵子(文)/金井久美子(絵)『たのしい暮しの断片(かけら)』(平凡社)

今週の猫店長おすすめの本

今週おすすめするのは金井美恵子(文)/金井久美子(絵)『たのしい暮しの断片(かけら)』です。この本は「天然生活」での連載がまとめられ、平凡社から2019年に刊行されています。私(野口)はrn pressで仕事をしながら、たまに外部の版元でお仕事をすることがあり、昨年は、平凡社から刊行された菊池成孔さんのエッセイの編集を担当しました。そのときの平凡社側の担当は、この『たのしい暮しの断片』の編集さんでした。

と、内輪の話は置いておいて、この本は、金井美恵子さんの痛快で小気味良い文章は言わずもがな、お姉さんでる金井久美子さんのイラストも本当にカラフルでうっとりします。

この私たちの作った本は、大嫌いなんだけれど、それをやらないでいる方がもっと最悪になる家事のあれこれは生活につきまとうものだから、少しでも楽しく、ということを提唱しているわけではなく、言ってみれば、見つけてみれば大小問わず様々にある気持ちの良いことが日々の暮らしの中に探してみれば案外あった、ということで出来ています。
(あとがきより)

ミカンの皮のこと、ソックスのこと、猫の手ざわりのこと……。日常に潜む気持ちの良いことが、素敵なイラストと共にぎゅぎゅっとつまっている本です。ぜひたくさんの人に読んでもらいたいです。この本が本棚にささっている人と友だちになりたいです。

次回の更新は9月3日です

もう9月です…。本当に一年はあっという間ですね。rn pressは秋発売の「USO4」の制作が始まっています。編集作業はもちろんですが、USOの場合は原稿を執筆しているので、うんうん唸りながら絞りだしています。今回はどんな本になるのか、私も楽しみです。次号をお楽しみに。

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