第20回 床で寝るのはやめよう

出版社アールエヌプレスがお届けるニュースレター(隔週土曜日)。編集部の様子と、おすすめの本などを紹介していきます
rn press 2023.06.25
誰でも

今週の編集部

みなさま、すっかりご無沙汰をしていました。日曜日ですが配信しています。本屋を不定休にして、黙々と何をしていたかというと、猛烈に仕事をしていました。今日マチ子さんの「From Tokyo」発売後、古巣WIREDから「6月末見本出しの本を編集すべし」というミッションを急遽仰せつかりまして、久しぶりに渋谷まで電車通勤をしていました。発売は7月末ですが、見本出来は6月末。校了日も指令通りピタッと合わせて、我ながらまるまる1冊、頑張りました。rn pressの本ではなく、なんだかイケイケな感じの字面が並びますが、藤井太洋さん、高山羽根子さん、倉田タカシさんといったSF作家さんたちが作品を発表したり、コンテンツも盛り盛りですのでよければどうぞ。

超余談ですが、大好きな漫画『あなたがしてくれなくても』がドラマ化されまして、毎週楽しく観ていました。なかでも田中みな実さんが演じる「楓」は、ファッション雑誌の編集者でいつも校了に追われ、夫とすれ違い……という、私の身近でよく聞くような話ですが、仕事中心の楓がベッドでゲラを見ながら寝落ちしたり、夜中にMTGしたりと、妙にリアルな描写が多く「ああ、そうそう。こんな感じもあったな」と、雑誌編集部にいた若いころを思い出しました。

ドラマにツッコミを入れるとしたら、校了前にあんなにバタバタしていたら事故りそうでやべえです。そして仕事を家に持ち帰りまくってるけれど、ちゃんと家に帰ってえらい! 私はベッドでゲラは読みませんが、デスクで寝落ちしたことは何度もあります。というか会社の床で寝ていました。

校了前はたぶんどこの編集部も「修正待ち」が多いです。ゲラに赤字を入れて、直して、の繰り返し。待ち時間が長いから、その間に編集部員たちと下品なゴシップ話をしたり、エモい話をしたり、アニメ全話を一気見したりしていました。で、「始発で帰る×2DAYS」くらいでしょうか。みんなで深夜にピザを食べたり、「祭り」ではあるのですが、生活は不規則なので太ります。

……と、私はカルチャーを煮詰めたような編集部でしか仕事をしてこなかったので出版業界の一端しか知りませんが、ファッション誌はもっとシュッとした校了をしているのかもしれません。そして私のような昭和な編集者は徹夜を武勇伝のように語りますが、全然イケてないです。いま思うと効率が悪すぎる。みなさんきちんとスケジュール管理して健やかに校了しましょうね。

こんなBOXをつくりました。オンラインで売っています。よければぜひに! 

こんなBOXをつくりました。オンラインで売っています。よければぜひに! 

7月は台湾・仙台に行きます

7月は台湾・台北のmangasickさんにて今日マチ子さんのサイン会を行います。海外でのサイン会は初めてです。もともと取材旅行に行くことは決めていて、せっかく行くならファンの方に会いたいよね、ということで台湾のmangasickさんにご相談したらご快諾いただきました。本当にありがたいです。

台湾に行くと言うと、もれなく「あら、いいわね」と言われるのですがゴリゴリな仕事です。作家と編集者のふたりで台湾をぐるっと1週間かけてまわってきます。素敵な出会いがあるといいなと思います。

それから、じつは7月末には仙台にも行きます。いろいろ準備中で、告知はこれからですが、とても楽しみです。今年はあえて移動を多くしていすが、コロナも再び流行ってきているようです。体調管理には気をつけて参ります。

雑誌「アイデア」の誌面より。特集していただきました。ありがとうございます。

雑誌「アイデア」の誌面より。特集していただきました。ありがとうございます。

USOの創刊号が3刷になりました

うれしいです。あんなプライベートな話を誰が読んでいるのか、いまだに謎ですが、店番をしていたりすると「読みました!」と声をかけてもらうことが増えたので、徐々に広まりつつあるのかもしれません。今年はどうしようかなと考えていて、テーマも少しだけ見えて……きたような、こないような感じなので、もう少し、考えます。あとはずっと言っている別冊をつくりたくて、それも同時にやるか……と秋のスケジュール帳とにらめっこをしています。

モリオのおすすめの本

忙しいときほど本を読みたくなるのはどうしてなのでしょうか。ということで今回は、説明もいまさらな不要な、どくとるマンボウ先生の『マンボウ雑学記』です。我が家の猫モリオは北杜夫先生からお名前をいただきました。

この本が面白いのは岩波新書で書かれていること。本書の「はしがき」でマンボウ先生自身が「岩波新書にふさわしくない」「この本は手軽なフライド・チキン」と書いてありますが、何をおっしゃいますか! という気持ちになります。

ちなみに、

「おれは躁鬱病だと多くの文章を書いているので、かなり世間の人々を開眼させた功はあるといってよい」

とあるように、「躁鬱といえば北杜夫」というと字面は良くないですが、ご自身の躁鬱についても小気味よく書かれています。ユーモアに溢れていて、ついつい読んでしまいました。よければどうぞ。

次回は7月15日更新予定

更新を隔週に戻したいなと考えていましたが、早速台湾出張のため、その次の週とします。こんな感じでほのぼのと更新しています。よければご登録ください。

無料で「猫と武蔵野とrn press」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら

誰でも
第22回 新天地へ
誰でも
第21回 台湾でのサイン会と取材旅行
誰でも
第19回 あとは売るだけ
誰でも
第18回 エンドレス入稿
誰でも
第17回 ゲラに埋もれています
誰でも
第16回 ダジャレの効果
誰でも
第15回 カメラ目線をキメる猫
誰でも
京都は自転車がいいですね